最近見て心に刺さった映画の話——久しぶりに映画で泣いた夜のこと

正直、最近あんまり映画を真剣に見てなかった。NetflixとかAmazonPrimeでなんとなく流しながら、気づいたら寝落ちしてる……みたいな日々が続いてた。でも先週末、ふと手が止まって、最後まで画面から目が離せなくて、見終わった後にしばらく動けなくなった映画に出会った。こういう体験、久しぶりすぎてちょっと戸惑ったくらいだ。今日はその話をしたいと思う。

見たのは「aftersun/アフターサン」——地味なのに忘れられない

見た映画は「aftersun/アフターサン」(2022年、A24制作)。日本での公開は少し前だけど、最近配信で見られるようになって、友達に「絶対見て」って言われてたやつだ。正直、あらすじだけ聞いてもピンとこなかった。「父親と娘がトルコにバカンスに行く話」って言われると、なんかほのぼのした家族映画かな、くらいの印象しかなかった。

でも全然違った。説明されない感情が画面の中にずっと漂っていて、見てる側がそれを拾い上げるような構造になってるんだ。セリフは少ないし、派手な展開もない。なのになぜか、どこかで「あ、この人やばいな」っていう気配を感じ続ける。それがじわじわ積み上がって、ラストに向かうにつれて胸が締め付けられていく感じ。見終わった後、「あのシーンはそういう意味だったのか」って振り返りたくなって、すぐに二周目を見た。こんなことしたのいつぶりだろう。

刺さったのは「分かり合えなさ」の描き方だった

この映画で一番刺さったのは、父と娘が「楽しそうにしてる」のに、どこかすれ違ってるっていうその微妙な距離感だ。仲が悪いわけじゃない。むしろ二人はちゃんと笑ってるし、一緒に遊んでる。でも娘は父親の内側にある暗さに気づいているようで、でも言葉にできないし、父親も気づかれたくなくて必死に「良い父親」を演じてる。

「大切な人のことを、実は全然わかってなかった」って気づく瞬間——それが映画を通してじわっと滲み出てくる。自分にも心当たりがあって、見ながら何度か息が詰まった。親とのこととか、昔の友達とのこととか、なんとなく脳裏をよぎった。映画ってこういう力があるよな、って改めて思った。

A24の映画ってなんでこうも「余白」が多いんだろう

「aftersun」を作ったのはA24というアメリカの映画会社で、「ミッドサマー」とか「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」とか、ちょっとクセのある映画を出し続けてるところだ。共通してるのは、「答えを教えてくれない」ところだと思う。

普通のハリウッド映画ってわりとちゃんと「これがテーマです」「このキャラはこう感じています」って説明してくれる。でもA24の映画はそれをしない。見た人がそれぞれ解釈して、自分の中に持ち帰るような構造になってる。だから見た後にネットで感想を読むのが楽しいし、「そういう読み方もあるのか」って驚くこともある。映画をきっかけに人と話したくなる感覚、これが映画体験の醍醐味だな、って気づかせてくれた。

映画を「流し見」してた自分への反省

今回この映画を見て、ちょっと反省したのが「ながら視聴」の習慣だ。スマホいじりながら、ご飯食べながら、なんとなく再生して、気に入らなかったらスキップ……正直そういう見方ばかりしてた。でも「aftersun」は、そういう見方をしてたら絶対に刺さらなかったと思う。

暗い部屋で、スマホを置いて、音に集中して見たからこそ、あの「気配」を感じ取れた。映画って本来そうやって見るものだよな、って当たり前のことを思い出した。「ちゃんと向き合う」ことで初めて届くものって、映画に限らずいろんなことにあると思う。そういう意味でも、今回の体験はちょっとした気づきになった。

見終わった後に誰かと話したくなった

この映画、見終わった後にすごく「誰かと話したい」気持ちになった。解釈が分かれる映画だから、友達がどう感じたかを知りたくて。実際に映画好きの友達に連絡したら、すでに見てて「わかる、あのラスト泣いた」ってなって、1時間くらい語り合った。映画でこんなに盛り上がったの久しぶりだった。

映画って一人で完結しなくていいんだよな、って思った。見て感じて、話して、また別の視点をもらって、理解が深まっていく。そのプロセス全部がエンターテインメントだ。Blu-rayを買って手元に置いておきたいな、って思ってる。何年後かにまた見たとき、きっと違う刺さり方をするはずだから。

久しぶりに映画に本気で向き合えた気がして、なんか充実した週末だった。「心に刺さる映画が見たい」って思ってる人に「aftersun」は本当におすすめしたい。ただ、ハッピーエンドを求めてる気分のときは避けたほうがいいかもしれない。ずっしり重いものが残るから。でもその「重さ」こそが、この映画の価値だと思う。次は何を見ようかな。またいい出会いがあったら記事にするつもりだ。

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