地元の名もなき定食屋が最高だった話

SNSで話題の店とか、食べログで高評価の店とか、そういうところに行くのもいいんだけど、最近一番感動したのは、地元にある名前も知らなかった小さな定食屋だった。

たまたま近くを通りかかって、なんとなく引きずられるように入ったんだけど、あれが正解だったと今も思う。

入った瞬間にわかる「ちゃんとした店」感

店に入った瞬間に出汁のいい匂いがした。それだけで「これは当たりかもしれない」と思った。カウンター席が6つと、テーブルが2卓だけの小さい店。壁のメニューはホワイトボードに手書きで、日替わり定食が700円だった。

入ったのは平日の昼前で、すでに常連らしきおじさんが2人いた。常連客がいる店は間違いないというのが持論なので、期待値が上がった。

日替わり定食の内容が本気だった

その日の日替わりは、サバの味噌煮、ひじきの煮物、冷奴、味噌汁、ご飯。シンプルな内容だけど、テーブルに運ばれてきたサバの味噌煮の見た目がしっかりしていた。ツヤのある煮汁、身がほぐれるくらい煮込まれた感じ。

食べてみると、甘辛のバランスが絶妙で、ご飯が進む。ひじきもしっかり味が染みていて、こういう地味なサイドがうまい店は本物だと感じた。

冷奴に乗っていた大葉とみょうがも、ちゃんと新鮮なものを使っていた。こういう細部への気遣いが、「ちゃんとした食事を出す気がある店」かどうかを示していると思う。

大盛りを断られた話

ご飯大盛りをお願いしたら、「今日はちょっと炊けてる量が少なくて…」と申し訳なさそうに断られた。なぜかこれが好感度を上げた。

チェーン店だったら絶対にあり得ないやり取りだけど、個人店ならではの「今日の分しかない」感が、逆に信頼感につながる。無理に出さない正直さというか。

食後のお茶と大将の一言

食べ終わると、大将が「うまかった?」と一言聞いてきた。「めちゃくちゃうまかったです」と答えたら「そりゃよかった」と笑っていた。それだけのやり取りなのに、なんか良かった。

フードデリバリーや飲食チェーンが増えた今、食事って体験込みでうまいもんだなと改めて思った。味だけじゃなくて、空間と人が加わると記憶に残る食事になる。

また行く理由ができた

帰る前に「また来ます」と言ったら、「どうぞどうぞ」と返ってきた。今月すでに3回行っている。

SNSでバズっていなくても、食べログに載っていなくても、うまい店はある。むしろそういう店のほうが、毎日通えるような安定感があるんだよね。地元の定食屋、もっと早く気づくべきだった。

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