日本酒にハマったきっかけ|あの一杯が人生を変えた話

正直に言うと、ちょっと前まで日本酒ってあんまり得意じゃなかった。なんか「おじさんが飲むもの」ってイメージがあったし、学生の頃に安い居酒屋で飲んだ熱燗がきつくて、それ以来ずっと避けてたんだよね。ビールとかハイボールばっかり飲んでて、日本酒を選ぶ機会なんてほぼゼロだった。でもある夜、友人に連れて行かれた小さな日本酒バーで飲んだ一杯が、完全に自分の概念をぶっ壊してくれた。あの体験がなかったら、今頃日本酒の世界にこんなにどっぷり浸かってることはなかったと思う。

はじめての「ちゃんとした日本酒」との出会い

連れて行かれたのは、カウンター席が10席くらいしかない小さな酒処で、メニューには見たことのない銘柄がずらっと並んでいた。「何が好きですか?」って店主に聞かれて、「日本酒ほぼ飲まないんですよ」って正直に伝えたら、笑顔で「じゃあこれを」って出してくれたのが、純米大吟醸のひやおろしだった。

グラスに注がれた瞬間、なんかフルーティーな香りがしてびっくりした。日本酒ってこんな匂いするの?って本気で思った。一口飲んだら、甘みと酸味がバランスよくて、後味がすーっとスッキリ消えていく感じ。「あれ、これ全然違う飲み物じゃん」って声に出してしまったくらいだった。それまでの「日本酒=辛くてクセが強い」というイメージが、たった一口で完全に崩れ去った瞬間だった。

日本酒の種類の多さに驚いた

ハマりはじめたら止まらなくて、いろいろ調べていくうちに日本酒の種類の多さに改めて驚いた。純米酒、吟醸酒、大吟醸、本醸造……ざっくり分けてもこれだけあるし、さらに「生酒」「ひやおろし」「にごり酒」みたいな製法や季節ものまで含めると、もう覚えきれないくらいのバリエーションがある。

特に面白いと思ったのが、同じ銘柄でも年ごとに味が変わるってこと。ワインのヴィンテージに近い感覚で、その年の米の出来や気候が風味に影響するらしい。こういう「生き物感」みたいなのがあるのが、日本酒の沼にはまる理由のひとつなんだろうなって今では思う。最初は「何飲んでいいかわからない」って状態だったけど、知れば知るほど選ぶ楽しさが出てきた。

家飲みで飲み比べをはじめたら止まらなくなった

酒屋さんに通うようになって、小さいサイズのボトルや四合瓶を何本か買って家で飲み比べをするのにはまった。同じ「辛口」でも蔵によって全然違うし、合わせる料理によって印象がガラッと変わるのが本当に面白い。刺身と合わせると旨味が増す感じとか、チーズと飲むと新しい発見があったりとか、そういう「組み合わせ実験」みたいなのが楽しくなってきた。

飲み比べセットをネットで買ってみたこともあって、いろんな蔵の個性を一気に体験できるのがすごく良かった。特に全国各地の地酒を少量ずつ試せるセットは、旅行感覚で楽しめるし、気に入ったものをまた探す楽しさもある。日本酒って、飲めば飲むほど「まだ飲んでないものがある」ってワクワクする感覚があるんだよね。

酒蔵見学で日本酒への解像度が上がった

去年の秋、友人と一緒に新潟の酒蔵見学ツアーに参加した。これが本当に良かった。実際に蔵の中を見て、杜氏さんから話を聞いて、どれだけ手間と時間をかけて造られているかを知ったら、一升瓶の値段が「全然高くない」と感じるようになった。

米を磨いて、麹を作って、発酵させて、絞って……そのひとつひとつの工程に職人のこだわりが詰まっている。蔵限定の搾りたて生酒を試飲させてもらったときの感動は今でも忘れられない。フレッシュで活きのいい味わいで、「これは瓶詰めされたものとは別の飲み物だ」ってくらい衝撃だった。日本酒をただの飲み物じゃなくて、文化として楽しめるようになったのはこの体験が大きかったと思う。

日本酒との向き合い方が変わって生活が豊かになった

日本酒にハマってから、食事の時間が変わった。何を食べるかだけじゃなくて、「どの酒と合わせるか」を考えるようになったし、料理自体に興味が出てきた。魚料理が好きになったのも、日本酒に合わせるようになってからだと思う。

あとは、酒屋さんとの会話が楽しくなった。「最近どんな感じのが好きですか?」って聞いてもらえて、自分の好みを言語化できるようになると、新しいおすすめを提案してもらえるようになる。これが地味に嬉しくて、また行きたくなるんだよね。日本酒を通じて人とのつながりも広がった気がして、それが一番の収穫かもしれない。

あの夜、友人に半ば強引に連れて行かれた日本酒バーがなかったら、今も「日本酒は苦手」と言い続けていたと思う。食わず嫌い(飲まず嫌い?)って本当にもったいないなと痛感した。これから日本酒をもっといろんな角度から楽しんでいきたいし、まだ飲んでいない蔵の酒も全国に無数にある。次は東北や四国の地酒を攻めていく予定で、気になっている銘柄もいくつかリストアップ済みだ。もし「日本酒ちょっと苦手」って思ってる人がいたら、ちゃんとした一杯を飲む機会をぜひ作ってみてほしい。きっと自分と同じように、概念が変わる瞬間が来ると思う。

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