キャンプ飯がうまくいった日の記録|初めて「完璧」と思えたあの夜の話
キャンプを始めてかれこれ3年になるんだけど、正直なところ「キャンプ飯って難しいな」と思い続けてきた。火加減がうまくいかなくてご飯が半生だったり、焦げ付いて鍋を洗うのが地獄だったり、風が強くてガスバーナーの火が安定しなかったり。失敗の数だけ経験値が積まれてきたわけだけど、先日ついに「これは完璧だったんじゃないか」と思える日がやってきた。そのキャンプ飯がうまくいった夜のことを、記録として残しておこうと思う。
場所は長野の静かなフリーサイト、天気にも恵まれた
今回のキャンプは長野県にある小さなフリーサイトのキャンプ場だった。名前はあえて伏せるけど、都会の喧騒とは無縁の、本当に静かな場所だ。標高がそこそこあるから、8月でも夜は涼しくて過ごしやすい。これがまず大事なポイントだったと思う。暑いと料理する気力も落ちるし、食材の管理も神経を使う。この日は最高気温が25度くらいで、夜は20度を切るくらいの絶好のコンディションだった。到着したのは昼過ぎで、テントの設営を終えたあと、夕飯の準備まで時間に余裕があった。時間に余裕があることって、キャンプ飯の成功にめちゃくちゃ大事だと改めて実感した。焦ってるときのキャンプ飯はだいたい失敗する。のんびりした気持ちで、川の音を聞きながら食材を切り始めた。それだけでもう、料理が楽しかった。
メニューは「ダッチオーブンで作るチキンのロースト」に決めた
今回挑戦したのは、ダッチオーブンを使ったチキンのローストだ。実はダッチオーブンを買ってから4回キャンプに持っていったけど、一度もうまくいったことがなかった。最初の2回は火加減がわからなくて中まで火が通らず、3回目は逆に焦がしてしまった。4回目はなんとか食べられるレベルになったけど、「うまい」とは言えなかった。だから今回は事前にかなり調べた。家での事前練習もした。鶏もも肉を塩・コショウ・ニンニク・ローズマリーだけでシンプルに味付けして、オリーブオイルを全体にまわしかける。それをダッチオーブンに入れて、上下から炭で加熱する。シンプルだけど、それがいい。凝った調味料を使わなくても素材の旨みが引き出されるのが、ダッチオーブン料理の醍醐味だと思う。今回はその「シンプルさ」を信じてみた。
火加減の「感覚」がやっとわかってきた
今回一番の手応えを感じたのが、火加減のコントロールだ。炭火はガスと違って細かく調整できないから、経験がものをいう部分がある。過去の失敗を振り返ると、とにかく「強火にしすぎ」が原因のことが多かった。ダッチオーブンは保温性が高いから、思ったより少ない熱量で十分なんだよね。今回は炭を控えめにして、じっくり時間をかけることにした。蓋の上に炭を9〜10個、下に4〜5個くらい。ネットで調べた情報とほぼ同じだったけど、自分の手で炭の量を決めてセットするという行為に、今まで以上の「意図」があった気がする。40分ほど待って蓋を開けたとき、黄金色にきれいに焼き上がった鶏もも肉が目に飛び込んできた。思わず「やった」と声が出た。まわりの木々に向かって叫んでたかもしれない。一人キャンプだったから、誰も見てないのが少し寂しかったけど。
食べた瞬間の感動は、外ならではのものだった
切り分けてみると、中までしっかり火が通っていて、肉汁がじゅわっとあふれてきた。皮はパリパリで、中はしっとり。こんなにちゃんとしたチキンが自分に作れるとは思ってなかった。味付けはシンプルなのに、なんでこんなにうまいんだろうと本気で思った。たぶん、外の空気と、川の音と、少し暗くなり始めた空が、味の一部になってるんだと思う。「おいしい」って感覚は、食べ物だけじゃなくて環境全体で作られるんだなと、このとき強く感じた。一緒に作ったコーンのバター醤油焼きも、缶ビールも、すべてがそのチキンと合わさって最高の夕飯になった。洗い物もそんなに苦じゃなかった。気持ちが満たされてると、面倒なことも楽しくなる。
うまくいった理由を冷静に振り返ってみた
翌朝、コーヒーを飲みながら昨日のキャンプ飯を振り返った。なんで今回はうまくいったんだろう、って。いくつか思い当たることがあった。まず、事前の準備をちゃんとやったこと。レシピを調べて、家でも一度試して、必要な食材と道具を確認した。次に、時間に余裕を持ったこと。焦らず、じっくり料理に向き合えた。そして、シンプルなメニューを選んだこと。キャンプ飯って、複雑なものにしようとすると途端にハードルが上がる。シンプルなほうが失敗しにくいし、素材の味が活きる。最後に、道具を信頼したこと。ダッチオーブンのポテンシャルをちゃんと引き出そうと意識したのが、今回の成功につながったと思う。道具って、使いこなすほどに愛着が出てくるものだなと実感した。
今回のキャンプ飯がうまくいった体験は、自分の中でひとつのターニングポイントになった気がする。「キャンプ飯って難しい」から「キャンプ飯って楽しい」に、気持ちが変わった。次はもう少し複雑なメニューにも挑戦してみたいし、今度は誰かと一緒に行って、あの感動を共有したいと思っている。うまくいった日のことを記録しておくのは大事だ。失敗の記録だけじゃなくて、成功の記録も積み上げていくことで、少しずつ自信がついていく。次のキャンプが、もう楽しみでしかない。
中学生からテニスを始め、現在テニスコーチもしています。