焼き鳥屋で学んだ本当の楽しみ方

焼き鳥屋で学んだ本当の楽しみ方

焼き鳥は昔から好きだったけど、先日常連のKさんに連れていってもらった地元の焼き鳥屋で、自分がいかに焼き鳥をちゃんと楽しんでいなかったかを思い知らされた。

「塩かタレか」だけじゃなかった

焼き鳥の選択肢って「塩かタレか」だと思っていた。でもKさんは最初に「今日はどんな鶏使ってますか?」と大将に聞いた。こういう聞き方があるのかと驚いた。

大将が「今日は地鶏ですよ」と教えてくれて、その日の一番うまい食べ方を提案してくれた。鶏の種類と部位によって塩とタレを使い分ける方が断然うまい、と聞いて納得した。焼き鳥はまず素材を知ることから始まるという視点が目からウロコだった。

部位の食べる順番がある

Kさんは最初にささみを頼んで、次にレバー、その後に砂肝、と続けた。さっぱりしたものから徐々にコクのあるものへという流れ。最後の方にもも肉やつくねを食べる。

自分は好きなものから先に食べていたけど、食べる順番で全体の味わいが変わるのだと知った。同じ食材でも、前に何を食べたかで感じ方が変わる。フレンチのコースと同じ考え方が焼き鳥にもある。

焼き加減を指定するという発想

Kさんが「レバーはレアで」と言ったとき、そんなことを言っていいんだと知った。チェーンの焼き鳥屋ではあまりないけど、個人の焼き鳥屋では焼き加減を伝えることができる。

レバーのレアは初めて食べたけど、火を通しすぎたものとは全然違う食感で、鉄分の味がちゃんと感じられた。これはちゃんとした店でしか食べられない体験だ。

大将との会話が料理をうまくする

その店の大将は話しかけやすい人で、注文のたびに少し会話が生まれた。鶏についての話、炭の話、仕込みの話。料理の背景を知ると、食べるときの集中度が違う。

「どうやって作っているか」を知りながら食べると、味の解像度が上がる感じ。飲食店での会話って、料理の価値をさらに高めてくれる調味料みたいなものだと思った。

焼き鳥屋の奥深さを知った夜

その夜は4時間いた。食べて飲んで話して、気がついたら終電近くだった。焼き鳥屋ってこんなに長くいられる場所なんだと初めて知った。

美味しい食事とは、素材と技術と空間と会話が揃うこと。当たり前のことかもしれないけど、一軒の焼き鳥屋でそれを体験として学んだ夜だった。

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