日本酒にハマったきっかけ|あの一杯が人生を変えた話

正直に言うと、ちょっと前まで日本酒ってまったく興味なかった。居酒屋でとりあえずビール頼んで、たまにハイボール。日本酒なんて「なんか辛そう」「おじさんが飲むもの」くらいの印象だった。それがいまじゃ週末に酒屋めぐりをして、ラベルのデザインに惚れて買ったりしてる。いったい何がそうさせたのか。今日はそのきっかけをちゃんと振り返ってみようと思う。

最初のイメージはぶっちゃけ最悪だった

日本酒との最初の出会いは、大学生のころの飲み会だった。先輩が「これ飲んでみろよ」って渡してきたのが、たぶん安い紙パックの日本酒で、一口飲んだ瞬間にむせた記憶がある。アルコールのツンとした感じと、なんとも言えない独特の香り。「うわ、無理だわ」って思ったのが正直なところだ。それ以来、日本酒は自分から選ぶことは一切なかった。飲み会でも、日本酒が回ってきたらそっとビールに逃げてた。

でも今思うと、あれはただ「安くてクオリティの低いお酒」だっただけで、日本酒そのものがダメだったわけじゃないんだよね。最初の出会いって本当に大事で、あの一杯が自分の中に「日本酒=きつい」っていう固定観念を植えつけてしまった。もったいない話だと今は思う。

転機は友人に連れて行かれた小さな日本酒バー

ハマるきっかけになったのは、去年の秋ごろ。友人に「絶対好きになるから」と半強制的に連れて行かれた、カウンター8席だけの小さな日本酒専門バーだった。正直、行く前は気が進まなかった。でもマスターが「日本酒が苦手な人でも飲みやすいやつから出しますよ」って言ってくれて、最初に出てきたのが純米吟醸のフルーティーなやつだった。

一口飲んだ瞬間、「え、これ日本酒?」って声に出てしまった。甘くて、フルーティーで、りんごとか洋梨みたいな香りがふわっとする。アルコールのツンもほとんどない。あの感覚は今でも忘れられない。大げさじゃなく、それまでの日本酒のイメージが0.5秒で書き変わった瞬間だった。その日だけで4種類くらい飲み比べして、帰り道にもう「また来よう」って思ってた。

飲み比べの楽しさに気づいてからは止まらなかった

そのバーに通ううちに気づいたのが、日本酒って同じ「日本酒」でもめちゃくちゃ個性が違うってこと。辛口・甘口だけじゃなくて、米の種類、精米歩合、造り方、産地によって香りも味も全然変わる。ワインのテロワールみたいな話が日本酒にもあるんだって初めて知った。

特に面白いと思ったのが、同じ酒蔵が造っていても年によって味が変わるっていう話。季節限定の新酒や、ひやおろし(秋に出る熟成酒)なんかも試してみると、季節ごとに日本酒を楽しむ感覚があって、一年中飽きない。飲み比べセットを買ってきて家でひとり利き酒みたいなことをし始めたのもこのころで、週末の楽しみがガラッと変わったと思う。

ラベルやストーリーを知るともっと深みにはまる

日本酒を調べていくと、蔵元ごとに面白いストーリーがあることも知った。廃業寸前だった蔵を若い杜氏が立て直した話とか、江戸時代から続く老舗がいまも昔ながらの製法にこだわっている話とか。そういうバックグラウンドを知ってから飲むと、味の感じ方まで変わってくるから不思議だ。

ラベルのデザインにも個性があって、最近はアート系のおしゃれなラベルを出す蔵も増えてる。酒屋で「このラベルかっこいいな」って手に取ったのが、飲んでみたら当たりだったりする。ジャケ買いみたいな楽しみ方もできるのが日本酒の面白いところで、ビールやチューハイとはまた違う世界観がある。お気に入りの蔵を見つけて、新作が出るのを待つ感覚は、推しのアーティストを応援する感覚に近いかもしれない。

日本酒を通じて旅の楽しみも増えた

日本酒にハマってからもうひとつ変わったのが、旅行の目的だ。以前は旅先でご飯を食べるくらいだったけど、いまは「この地域の酒蔵を見学したい」「地元の酒屋でしか買えない限定酒を探したい」みたいな動機が加わった。実際に今年の夏、新潟に行ったときは酒蔵見学ツアーに参加して、仕込みの工程を見たり、蔵元限定のしぼりたてを飲んだりした。あの体験は本当によかった。お土産コーナーで買えるものとは別次元の話で、「ここでしか飲めない」っていう特別感がたまらなかった。

旅の楽しみ方が広がったのは、日本酒にハマった副産物として一番うれしいことかもしれない。これからも各地の蔵を訪ねて、その土地の水と米で造られたお酒を現地で飲む旅を続けていきたいと思ってる。

日本酒にハマったのは、たった一杯のフルーティーな純米吟醸との出会いがきっかけだった。あのとき友人に引っ張られていなかったら、今もビールだけ飲んでたかもしれない。苦手意識があった人でも、最初の一杯さえ良ければ世界が変わる。もし「日本酒ちょっと気になるけど怖い」って思ってる人がいたら、ぜひ飲み比べセットか、丁寧に説明してくれる専門のバーから入ってみてほしい。あの感動、共有したいと本気で思ってる。

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