草テニスの大会に初めて参加してみた話|緊張と失敗と、ちょっとした成長
先月、人生で初めて草テニスの大会に出た。テニス自体は週1〜2回、近所のコートで友達と打ち合うくらいのレベルで、「試合」なんてほぼ未経験。そんな自分がなぜ出ることになったかというと、一緒によく打つ友人に「面白いから出てみようよ」と半ば強引に誘われたからだ。最初は正直乗り気じゃなかったけど、結果的にはめちゃくちゃ良い経験になったので、今日はその一部始終を書き残しておこうと思う。
そもそも「草テニス」って何なのか知らなかった
恥ずかしながら「草テニス」という言葉自体、誘われるまでちゃんと知らなかった。なんとなく「草野球みたいなやつでしょ」くらいの認識だった。調べてみると、草テニスとはクラブや連盟に所属していない一般のアマチュアプレイヤーが参加できる草の根的な大会のことを指すらしい。主に地域のテニス協会や個人主催者がコートを借りて開催するスタイルが多く、初心者からベテランまで幅広く参加しているのが特徴だ。
今回出た大会は市内のテニスコートで開催された、ダブルスのみのイベント。参加費はひとり1500円で、クラス分けはなし。つまり、テニス歴30年のおじさまと自分みたいな週末プレイヤーが同じ土俵に立つわけだ。そのことを知ったのが前日で、なかなかの絶望感を覚えた。でも「負けても経験、経験」と言い聞かせて当日を迎えた。
当日の朝、想像以上に緊張した
大会当日、朝から手がじんわり汗ばんでいた。「友達と打つだけだし、緊張なんてしないだろう」と思っていたのに、全然そんなことはなかった。コートに着いて受付を済ませると、すでに何組かウォームアップをしている。みんなフォームがきれいで、ラリーが続く続く。自分と友人がぎこちなく打ち合っている横で、バシバシとスピンのかかったボールが行き交っていて、少し心が折れそうになった。
試合前のウォームアップで緊張がピークに達したのは、審判なしの自己申告制というルールを初めて理解したときだ。インかアウトか自分たちで判定するのか、とちょっとドキドキした。でも実際に始まってみると、みんなわりとフェアで、際どいボールは「どっちでも」みたいな雰囲気でやり過ごすことも多く、思ったよりギスギスした空気にはならなかった。草テニスはそういう大人のゆるさがあるんだなと感じた瞬間でもあった。
初戦から完敗、でも気づいたことがあった
最初の対戦相手は見るからに経験豊富そうなペア。案の定、6-1で負けた。正確には負けたというより、やられた、が近い。サーブが入らない、返球がネットにかかる、前衛に詰められてパニックになる。普段の練習では「まあまあ打ててる」と思っていたのに、試合になった途端に自分のテニスが崩壊した。
でもこの初戦で気づいたことがある。自分は「フォームを意識しながら打つ」ことに慣れすぎていて、試合のリズムに全くついていけていなかったということだ。練習ではどこに打つか決めてからスイングするけど、試合では相手が打ってから考えている時間なんてない。判断と動作がほぼ同時じゃないといけない。これ、頭ではわかっていたけど、実際に体で理解したのは初戦が初めてだったかもしれない。
2試合目からちょっとだけ変わった
初戦でぼこぼこにされたことで、逆に吹っ切れた部分があった。「もうダメ元で打とう」と思ったら、体の力が自然と抜けた。2試合目は相手も同じくらいのレベルで、結果は4-6で負けたけど、内容は全然違った。ラリーが続く場面が出てきて、前衛でポーチに出る場面もあって、純粋に楽しいと感じる瞬間が増えた。
ペアの友人も同じ感覚だったらしく、試合後に「なんか2試合目のほうが動けたよね」と話していた。試合の緊張感の中でしか体験できない「適度な力の抜け方」というものがあるのかもしれない。これは練習だけではたどり着けない感覚だと思う。もちろん結果は出ていないけど、体が少しずつ試合のリズムを覚えていくような感覚は、素直に面白かった。
大会を終えて思ったこと
結果はグループリーグ敗退。トータル1勝2敗で終わった。1勝できたのは3試合目で、相手が初参加の学生ペアだったこともあり、なんとか6-4で勝つことができた。初めての勝利は正直すごく嬉しかった。たった1勝でも、達成感がまるで違う。
大会全体を通じて感じたのは、草テニスは勝ち負けよりも「テニスそのものを楽しむ場」としての雰囲気がとても強いということだ。参加者同士が試合後に話しかけてきてアドバイスをくれたり、一緒に反省会をしたり、思いのほかコミュニティ的な温かさがあった。テニスが好きな人が集まって、テニスを楽しむ。シンプルだけど、それがちゃんと成立している空間だった。
次の大会にはもう少し準備して臨みたいと思っている。具体的には、サーブの安定性とボレーの精度を上げること。あとは試合の映像をちゃんと見て、自分のフォームの癖を把握すること。草テニスという世界を知れたのは本当に良かったし、テニスへのモチベーションが格段に上がった。普段の練習が「試合のための練習」に変わった感覚がある。また出よう、と心から思っている。
中学生からテニスを始め、現在テニスコーチもしています。