最近読んで人生観が変わった本——「嫌われる勇気」で自分の生き方が180度変わった話

正直に言うと、ここ数年ずっとモヤモヤしてた。仕事のこと、人間関係のこと、自分がこれでいいのかっていう漠然とした不安。特に何かがひどく悪いわけじゃないけど、なんか満たされないっていうあの感じ。そんなときに友達から「これ読んでみなよ」って半ば押しつけられるように渡されたのが、岸見一郎・古賀史健著の『嫌われる勇気』だった。最初は「自己啓発本か、まあ読んでみるか」くらいの気持ちだったんだけど、読み終わったときには完全に価値観が揺さぶられてた。今日はその話をしたいと思う。

「過去は関係ない」という衝撃の一言

この本はアドラー心理学をベースにした哲学書で、青年と哲人が対話形式で話を進めていくスタイルになってる。読みやすいし、青年が「それはおかしい!」ってツッコんでくれるから、自分の疑問を代弁してくれてる感じがして引き込まれる。

で、最初にガツンときたのが「トラウマは存在しない」っていう話だった。アドラー心理学では、過去の出来事が今の自分を決めているんじゃなくて、今の自分が過去の出来事に「意味を与えている」という考え方をする。つまり、引きこもりになったのは過去の傷つき体験があったからじゃなくて、引きこもることで何かを達成しようとしている今の自分がいる、ということらしい。

最初はめちゃくちゃ反発した。「いや、それは冷たくないか?」って思った。でも読み進めていくうちに、過去のせいにすることで自分が変わることから逃げてたのかもしれないって気づいてしまった。これが結構しんどくて、でも目が覚めるような感覚でもあった。

「承認欲求を捨てろ」って言われて頭を抱えた

次に刺さったのが承認欲求の話。「他者に認められたいという欲求を満たすために生きるな」というアドラーの主張で、これも最初は「え、そんなこと言われても…」だった。SNSで「いいね」をもらうと嬉しいし、上司に褒められると頑張れる。それって普通じゃないの?って。

でも本の中では、承認欲求に縛られた生き方は他者の人生を生きることになると言う。誰かに認めてもらうために行動するということは、自分の軸じゃなくて他者の評価軸で生きるってことだから、永遠に満たされないらしい。

これを読んだとき、自分が仕事で「ミスしたらどう思われるか」ばかり考えて動けなくなってたことを思い出した。結果よりも評価が気になってた。そのループが自分を疲れさせてたんだと、やっと言語化できた気がした。

「課題の分離」が人間関係をラクにしてくれた

この本で一番実用的だと感じたのが「課題の分離」という考え方だ。簡単に言うと、「それは自分の課題か、他者の課題か」を切り分けるということ。

たとえば、自分が努力して結果を出した。それを上司が評価するかどうかは上司の課題であって自分の課題じゃない。自分にできるのは努力することだけで、評価という他者の課題に踏み込んでも意味がない、という話だ。

これを知ってから、「自分にできることをやったら、あとは手放す」という感覚を少しずつ持てるようになった。友達に何かアドバイスして、それを聞くかどうかは相手の課題。親が心配するかどうかも相手の課題。自分が何とかしようとしてたものの多くが、実は他者の課題だったと気づいたとき、肩の荷がすっと降りた感じがした。人間関係がこんなにシンプルになるとは思ってなかった。

「今ここ」を生きるという結論

本の終盤で出てくるのが「今この瞬間を踊るように生きる」という考え方だ。過去でも未来でもなく、今ここに集中することが幸福だとアドラーは言う。

これ、言葉にすると当たり前に聞こえるんだけど、実際にやれてる人ってどれだけいるだろう。自分は常に「あのときこうしていれば」とか「将来どうなるんだろう」って考えてて、今この瞬間をちゃんと見てなかった。

人生は連続した「今」の積み重ねであって、どこかに到達するための旅じゃない。この一文が個人的にいちばん響いた。仕事でも趣味でも、ゴールに向かって走り続けるだけじゃなくて、今日この一日に意味を見出せるようになってきた気がする。読む前と後で、時間の感じ方がちょっと変わった。

読んで変わったこと、変わらなかったこと

正直、この本を読んだからといって劇的に性格が変わったわけじゃない。承認欲求はまだあるし、過去をひきずることもある。でも、何かモヤモヤしたときに「あ、これは課題の分離ができてないな」とか「他者の評価を気にしすぎてるな」って一歩引いて考えられるようになった。それだけでも、だいぶ違う。

あと、この本を読んでから自分の言動を振り返る習慣がついた。「なぜ自分はこう行動したのか」「それは本当に自分がやりたいからなのか、認めてほしいからなのか」を考えるようになった。答えが出なくても、問いを立てること自体が変化だと思ってる。

自己啓発本ってちょっとうさんくさいイメージがあって敬遠してたんだけど、この本は哲学的な土台がしっかりしてるから、読み終わったあとも「薄れない」。何度か読み返してるし、そのたびに気づくことが変わる。本ってそういうものだよな、とも改めて思った。

人生に行き詰まってる感じがする人、人間関係が疲れてる人、なんとなく毎日がしんどい人——そういう人にこそ読んでほしい一冊だ。答えをくれる本じゃなくて、問いを変えてくれる本。読んで損はないと思うし、むしろ読まないほうがもったいないくらいだと今は思ってる。次は同じ著者の『幸福論』に手を伸ばしてみるつもりだ。

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